彼女と会った後、僕はボーッとしてしまう。食事もあまりとらない。
彼女が僕を満たしてくれるからか、吸い取るのか。わからない。
写真をとらしてもらった。
早く現像したい。早くフィルムを使い切らなければ。
でもボーッとしてしまう。そんなときは、ぼんやり、のんびり、ほのぼのした日本映画を見る。僕はこの三つの単語が一番要素として含まれているのは日本映画だと思う。
決してつまらなくはない。ただちょっと退屈で、起伏があまりない。フランス映画は難解で、暗い。アメリカは絶対違う。
* ネタバレ有り *
★★★★☆
今日は「トニー滝谷」という村上春樹の短編小説を映画化したもの。これが最初で最後?
僕は小説を映画化したものはあまり好きではない。特に僕が好きな小説だったら。映画化する意味がないものが多い、と思う。
村上龍の「69」は良かった。面白かった。僕は何回も見た。そのたびに明るい気持ちになる。
「トニー滝谷」は短編だから、省略もされずにほぼ小説どおりだった。出演はイッセー尾形と宮沢りえ。音楽は坂本龍一。ピアノが冷たい空気を形作っていた。
イッセー尾形て村上春樹に似てる。宮沢りえは美しすぎ。
映像は西島秀俊のナレーション(小説のせりふがほとんど)とともに静かに進む。たまに出演者がその一部分を話す。
普通の映画とは違った空気をかもし出していて、村上春樹っぽさも感じられた。
宮沢りえが服を買いあさるシーンで足がアップされてた。ありえないくらい細い。
オレの握力でもポキっと折れそう。でも、儚くて、綺麗だった。
トニー滝谷では村上春樹自身も身につけていたであろう、孤独感が伝わってきた。
村上春樹は著書「走ることについて語るとき僕の語ること」で自身のことを”一人でいることをそれほど苦痛としない性格””誰かと一緒に何かするよりは、一人で黙って本を読んだり、集中して音楽を聴いていたりするほうが好きだった”と述べている。
トニー滝谷も彼女に会うまではそんなカンジだった。でも彼女と会ってからは、孤独になる不安を感じた。いなくなってからは本当の孤独に陥り、深い悲しみに浸る。
映像は上と下を意識して映していた。足、空、顔、坂。風景を絵にするようなあの建築技術てなんていうんだっけ?最近また流行ってるらしいけど。
いつかそういう部屋もつくってみたい。
この映画は一人で独特の空気に浸れる。村上春樹の小説を読むカンジにも似ている。多くの人に見てもらって、感想を聞きたい。
次に見たのは「Laundry」。出演は窪塚洋介と小雪。窪塚は少し障害を負った青年、小雪は心に傷を負った女性を演じる。
★★★☆☆
窪塚はハマリ役だった。「ギルバートグレイプ」のディカプリオを思い出した。
小雪はオードリーぽいっちゃオードリーぽかった。
この構図で思い出したのが「ジョゼと虎と魚たち」。最後は男が逃げるように障害を持った女と別れる。どっちがリアルなんだろうか。
★★★☆☆
人それぞれだと思うけど、僕がもしその立場に立ったらどうするだろう。そういう時は、障害うんぬんを考えずに、自分がその人をどれだけ愛しているのか自問してみる。そうすれば必ず結論は出る。
たまに好きな人が障害を負ったとしたらと考える。僕は元カノと付き合っていたとき、それでも愛し続けられると思った。
でもむこうはそうじゃなかったみたいだ。
「Laundry」では予想に違わず、ハッピーエンド。そういう場合だってあるだろう。
どちらの映画も僕が求めていた日本映画だった。おかげでいろんなことを考えたし、ぼんやり過ごせた。
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